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2025年4月17日木曜日

駆動系保護の方法

どんな駆動方式であれ、デフやミッション等の駆動系ブローというのはスポーツ走行をする以上、リスクはあるものの、車種によって弱い部分が一番被害を受ける(=よくブローする)と思います。

現行車で言うとNDロードスターやGR86/BRZはミッションが、GRヤリスではトランスファーが壊れるような話を自分の周りでは聞きます。特に壊れるのはシフト操作をしてクラッチをつないだ瞬間です。つまり、つないだ瞬間の「激力」を緩和できれば駆動系破損のリスクを大きく低減することができます。
(多くのメーカーでクラッチディスクにダンパーが入っている製品がありますが、この簡易的な機構では吸収しきれてない、ということですね)

ちなみにNDロードスターでは以前触れたようにデュアルマスフライホイールという動くフライホイールを使い、更なる駆動系リスク低減を図っています。


根本的に駆動系強化する以外に、ブローリスク回避にどの様な方法があるなかを素人なりに調べてみました。
長くなるので2回に分けて記載します。



①クラッチを滑らせる

1000馬力も珍しくないドラッグレースにおいて、駆動系トラブルというのは避けられないものですがどのように回避しているのか。
ヒアリングしてみると「スライダークラッチ」という、要はクラッチをわざと滑らせる機構を取り入れているそうです。


クラッチを任意に滑らせて駆動系にガツッと言う「激力」が入らないようにする感じですね。
ただしこのスライダークラッチは走行毎に滑り量を調整する必要があるそうで、一般ユーザーにはハードル高すぎです。


ちなみに同じ「駆動系保護のためクラッチをドンッと繋げない」考え方を量産車で採用してきたのがホンダで、S2000で導入された遅延機構と呼ばれる手法です。


こちらのページに詳細記載ありますが、ドライバーがクラッチペダルを離しても、オペレーティングシリンダーの戻りをゆっくりにしてあげることで、クラッチディスクがドンッとつながらないようにしています。


クラッチフィーリングが悪くなるかもしれませんが遅延機構を入れる、もしくはディスクをあえて滑る(メーカー対応馬力以下)のものにしてあげるというのが、一般ユーザーが取れる手法でしょうか。



②あえて弱い部分を作って逃がす

上記した①の遅延機構は手っ取り早い激力緩和手法ですが、フィーリングが悪くなることもあり、スポーツ走行をするユーザーからは不評なようです。
またドラッグレースと違い、周回レースではシフト回数も多いことからクラッチを滑らせると熱を持ってディスクがゴールまで持たないリスクもあるため、GTやフォーミュラで取入れているチームは皆無だそうです。

それでも周回レースはミッション等が高温にさらされてしまうためブローのリスクはより高く、どのように対策しているかとヒアリングしてみると、交換しやすい部品をあえて「弱く」作っているそうです。


具体的にはタイヤにつながるドライブシャフトをあえて細くしたり、よじれる素材で作っているそうです。
こうすることで、交換が大変&コストの高いミッションを保護しているそうです。


長くなったのでまずはここまで。
コレ以外にも駆動系保護の方法がいくつかあるので次のブログにて。
(NDロードスターがなぜミッション弱いのかはコチラの記事、マツダが純正で入れてきたデュアルマスフライホイールについてはコチラの記事をご覧下さい)



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