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2021年3月11日木曜日

レーシングクーラント(スポーツクーラント)の効果について

メンテナンスする上で外せないクーラント(LLC)ですが、モータースポーツをする方は「レーシングクーラント」と題された製品を聞いたことがあるかもしれませんが、具体的に何が違うのか気になったので調べてみました。

結論から言うと冷却効率だけで言えばあまり違いは無く、むしろ入れる濃度の影響が大きいようです。



①冷却効率の差

クーラントの主成分はエチレングリコールと呼ばれるもので、その他に消泡材等の添加剤が入っています。

エチレングリコールは防錆等の効果があり、重要な成分ですが熱伝導率が微妙なため、一般的にレーシングクーラントと謳われている製品には変わりにプロピレングリコールを主成分とし、熱伝導率を向上させているようです。

具体的にどの位変わるのか気になるところですが、文献等をまとめたこちらの方のページを参照すると、効率的には1%も変わらないようです。また日産自動車の論文の中にも出てきますが、LLCは薄い方が冷却効率は高くなることが示されており、成分の違い以上に冷却水に占める成分濃度の方が冷却効率に支配的であることがわかります。




なので冷却効率的にはレーシングクーラントに変えたところで濃度が同じならそこまで違いはないと考えられそうですね。


②消泡性能の差

ではレーシングクーラントを入れるメリットは何かと言えば、「消泡性能」の部分になると思われます。

冷却水はウォーターポンプで循環されていますが、高回転時には「泡」が発生して痛めてしまう可能性が高くなる=ブローするリスクが高くなるので重要な性能です。

どの位消泡性能に差が出るのかは分かりませんが、劣化具合について検証されているページがありました。

この消泡性能が劣化しやすいため、レーシングクーラントと呼ばれる製品の交換サイクルは早くなる傾向にあるようですね。

泡があると熱伝達効率は悪くなるので、結果的に消泡作用が優れているクーラントは「冷えるクーラント」と言われているのかもしれませんね。


③何を選べばよいのか

一般的な使い方であれば純正や量販店で売っている普通のクーラントを定期的に交換するのがベストだと思います。

強いて消泡性能を求めるのであれば、評判を見ている限りサーモスタット等の冷却専門メーカーであるBILLIONのクーラントが良さそうです。


上記したプロピレングリコールを主成分として少し効率を高めつつ、メーカーHPにも「消泡性能が違います」と謳われているので、消泡材が優れている結果、「よく冷えるクーラント」として販売されているのかもしれませんね。

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